編集部ブログ

「過払い返還訴訟」の弁護士たちが報酬隠し

2009年10月25日

「過払い返還 報酬隠し、697人が申告漏れ 計79億円」(朝日新聞)
法律に通じる弁護士たちが起こした「事件」は、10月22日の新聞各紙の社会面で掲載されました。消費者金融の高金利に苦しむ人たちの味方になるのは結構なことですが、その報酬を意図的に隠していたとしたら、法に関わる者としてのモラルが問われます。

 この新聞報道を読み、弊誌記事を思い出していただいた方も多かったのではないでしょうか。「今が稼ぎ時」と、降って湧いたようなビジネスチャンスに群がる弁護士業界に対し、国税庁が秘かに捜査に乗り出していた事実は、およそ三カ月前の本誌八月号において、いち早く紹介しておりました。弊誌読者の中にも弁護士業界の方々が多くおりますが、かの記事に対しては、特に反響が大きかったのを記憶しております。

 一足早いビジネス情報はもとより、こうした通好みの業界情報にも力を入れております。
「これ一冊読んでおけば大丈夫」。
 そう実感していただけるよう、読者諸氏の負託にこたえる誌面づくりに精進してまいります。今後もご期待ください。

以下に当該記事全文を掲載します。

「過払い金請求ビジネス」に国税が脱税容疑で立件の構え

 弁護士のテレビCMが地方局で激増している。来年六月に迫った貸金業法の完全施行まで一年を切り、市場が飽和状態となった首都圏から東北・九州などの地方に「過払い金請求ビジネス」の活路を見出したい弁護士が増えているためだ。

 人気急上昇の某弁護士事務所は五、六月の二カ月間で七千二百本以上、金額にして一億四千万円の広告料を支払った。「人気タレントを起用した制作費を含めればざっと二億円以上。七月からはさらにオンエア地域を拡大する予定」(広告代理店)という。「消費者金融大手四社の過払い件数から推測すると、この事務所では一日約百件の任意整理事務を処理している」(事情通)と見られており、所属する十四人の弁護士の処理能力を超えているのではないかとの指摘さえある。

 こうした過払い金請求ビジネス膨張のさなか、国税庁が収入源のほとんどを同ビジネスに頼っている法律事務所に的を絞って、脱税容疑で立件する構えをみせている。現在、大手・中堅の貸金業者に異例の税務調査が入っているのは、弁護士事務所に支払われた過払い金と弁護士の債務整理報酬の差額を精査しているからだ。「かなりの件数で時間を要する」(国税庁幹部)ため、一社当たり数十名規模の調査員が投入されている。

 通常、弁護士や司法書士が代理人として介入した場合には、代理人が過払い金額を把握し、借入者にはその内容が知らされないケースがほとんど。そこに脱税の生じる土壌がある。「年末にかけてかなりの金額での脱税容疑の立件が相次ぐ」(同)との指摘もある。



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