社会・文化

公開

危惧される「巨大余震」
求められる福島第一の津波対策

 震災から約十カ月経過した今、政府内では「余震」への懸念が高まっている。「津波が再び被災地を襲う」(地震調査研究所推進本部幹部)可能性も危惧されているのだ。


 政府内などで特に懸念されているのが、「アウターライズ地震」と呼ばれるもの。三月十一日に発生した本震は、陸側のプレートが跳ね上がる形で発生した。これに対し、「アウターライズ型」は、沈み込む海側のプレートが大地震によって歪みが生じて起きるものだ。過去のプレート型大地震でも発生が確認されており、実際、二〇〇四年のスマトラ島沖地震でも起きている。


 東日本大震災では、かなりの数の余震が発生したが、現在までのところ危惧される巨大余震となる「アウターライズ型」は確認されていないという。


 怖いのは、この余震が「巨大津波を起こす可能性がある」と言われていることだ。津波に襲われた被災地はもちろん、「福島第一原発がさらに破損する可能性」(同前)まで危惧されている。十二月に野田佳彦首相が事故原子炉の「冷温停止」を宣言したが、現地の津波対策は「土嚢を積んだ程度」(自民党幹部)に留まっているのが現実だ。ここに、再び大津波が襲えば、事故処理のスケジュールは再び狂うばかりか、地下水などを通じてさらに汚染が深刻化しかねない。


 当初、巨大余震は三―六カ月以内に発生する可能性が高いとみられていたが、これとて役に立たなかった地震学者の予測であり、「想像」の域を出ていない。余震の発生時期が延びるほどエネルギーが蓄積されるという。少なくとも福島第一原発における早急な対策が求められる。

PAGE TOP