社会・文化

甦る「敗戦文学」堀田善衛『上海日記』から

 二〇〇八年十一月、『上海日記――天下一九四五』という本が集英社から刊行された。まだ二十七歳の無名の文学青年だった堀田善衛(一九九八年没)が、大日本帝国敗戦の年に上海で書きつづった未発表日記である。

 慶應大学仏文科卒業後、海外情報の収集と文化工作をひそかな目的とする国際文化振興会という外務省系組織に勤務していた堀田は、四五年春、自らすすんで同会の上海資料室に赴任した。敗戦後は一転して・・・
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