連載

川端千枝~再生~むかし女ありけり(連載120) 福本邦雄

 夫に先立たれ呆然としていた千枝は短歌に出会ったことで、新しい人生を得たかのように輝きだした。
 白日社の社友となり、いまや師と仰ぐようになった前田夕暮の歌集をむさぼるように読み、他にも文芸書や翻訳小説を手当たり次第手にとった。千枝は、まるで砂漠が水を吸い込むようにこれらを堪能し、そのことに無上の幸せを感じていた。

 淡路の静かで平和な一農村に千枝の家はあった。小地主の構えでそれほど・・・
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