連載

跳び超せない日本記録の「壁」
杉林 孝法(陸上競技・三段跳び)不運の名選手たち(連載9) 中村 計

 今までにない感覚だった。
「景色の流れがすごく早かった。ショックも何もなくて、コツン、コツンって、体が勝手に持ち上げられるような感じでしたね」
 二〇〇三年の日本陸上競技選手権大会、三段跳びでのこと。身長一八五センチ、体重六六キロの杉林孝法の体は、日本記録を軽く越え、一七メートル三〇あたりまで跳んでいた。
 が、着地後、振り返ると、ファウルを示す赤い小旗が上がっていた。踏み切り板を・・・
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