連載

ミュンヘン市庁舎市議会堂の大絵画あるコスモポリタンの憂国(連載44) 紺野大介

 ミュンヘンは筆者にとって懐かしい町である。二度目だったか一九七〇年代半ば、ある日レンタカーを借り、市内のホテルに泊まり翌日でかけようと車に近づくと、フロントガラスのワイパーに紙切れが挟まっている。

「貴方の車を傷つけてしまいました。修理代をお支払しますので、下記の電話番号にご連絡を下さい」――といった内容であった。同じ敗戦国なのに当時の日本にこのような市民レベルのモラルが僅かでもあった・・・
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