連載

バーベルと「優勝候補」の重圧
砂岡良治 重量挙げ選手不運の名選手たち(連載25) 中村 計

 上げれば金。落とせば銅。

 しかも、バーベルの重さは二百七・五キロと、その日の最重量に設定されていた。

 砂岡良治にとって、それは自己ベストを二・五キロ上回る、いわば未知の領域でもあった。

 一九八四年、ロサンゼルス五輪。重量挙げ八十二・五キロ級は、そのドラマチックな展開に、観衆も軽い躁状態になっていた。「床を踏み鳴らす音と、歓声がすごかった。これがアメリカなんだな・・・
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