連載

立川雲黒斎の遺言本に遇う(連載145) 河谷史夫

 一代の噺家が逝った。破天荒に見えて、細心配慮の人生であった。

 談志とは一度会ったことがある。志ん朝のことを「あいつはいい時に死んだ」と言っていたが、思うに、談志もいい時に死んだ。

「ダンシガシンダ」と、どこかの落語会に電報が来た。楽屋連中は言った。「祝電を打たなきゃ」と。 当人が生前「俺が死んだら回文が回る」と口にしていた。「もう駄目」とか「これで最後」は口癖であった。とか・・・
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