連載

「英雄」白洲次郎の実像皇室の風(連載10)  岩井克己(朝日新聞編集委員)

 町田市能ヶ谷の古民家「武相荘」に随筆家白洲正子を訪ねたのは一九九五年八月二十一日だった。秩父宮勢津子妃が重篤に陥り、幼なじみの正子に頼んでいた惜別の原稿を受け取るためだったが、できれば夫の故白洲次郎の思い出も聞きたいと思っていた。

 英国ケンブリッジ大に学び、日本人離れした自由人で、吉田茂、近衛文麿の側近だったが、日米開戦前から東京への空襲と敗戦を予想してこの農家を買い取って移り住んだ・・・
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