連載

出発 むかし女ありけり(連載101) 福本邦雄

 失意のうちにおわった上京生活ではあったが、この失敗が二人の関係に影を落とすことはなく、むしろ結びつきを強める結果となった。東京・日本橋の書店丸善の書棚に並んだ洋書群に圧倒され、自らの語学力の貧しさを自覚した啄木は、帰郷後これを克服すべく涙ぐましい努力を始めた。結果、独力ながら英語の詩も散文もほとんど読める力を身につけ、またそれらの教材に触れる中で刺激を受け、詩人として立つべく意志をさらに強くして・・・
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