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むかし女ありけり(連載96) 福本邦雄
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小林多喜二の作品には、革命的主題がまだ表面化していない習作時代から、家族の問題を題材とするものが少なくない。十五歳の時に書いた最初の小説『呪われた人』にしても、十八歳の時の『龍介と乞食』にしても、自分と家族の視線を同一線上に置き、共に生き、悩み、一緒に社会を見つめる構造になっている。十九歳の時に書き、「新興文学」の入選作となった『健』は、上の学校へ行くために都会の小金持ちに引き取られた貧しい農家・・・
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