連載

書物推薦の当たり外れ本に遇う(連載118 ) 河谷史夫(朝日新聞記者)

「私事だが」とか「私事で恐縮ながら」といった断り書きをよく見かけるが、好かない。
 いかにも恐縮ぶって顔を伏せつつ、ちらと読む側を見上げている目つきが何やらいやらしい。

 書くべきことなら私事だろうと他人事だろうと遠慮することはない。私事がそれほど恥ずかしいのなら他人の目にふれる場所にさらすな。随筆というものは、『徒然草』以来、筆者の思いや周辺風景を述べてなお水準に達していなければな・・・
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