相聞むかし女ありけり(連載112) 福本邦雄
互いに思いをつのらせていった露子と正平であったが、双方ともに法定家督相続人として、当時の法律のもとでは結婚の自由を拘束されていた。そのためお互いの気持ちは明らかながら、あえて愛を告白しあうこともなく、もどかしい日々を送っていた。
二十歳になった露子に対し、周囲からの結婚への強要が激しくなってきており、主に継母の親戚筋から次々に候補者があげられていた。露子としては、家督を妹に譲り、・・・
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