谷川雁の復活 その一本に遇う(連載121) 河谷史夫(朝日新聞記者)
半世紀のむかし、六〇年安保の前後に青年に大きな影響を与えた詩人思想家といえば、吉本隆明と谷川雁をもって双璧とする。
後進に隆明派と雁派とがある。
心酔して雁のことを「世界一の思想家」と称賛してはばからなかった八木俊樹の言を思い出す。京都大学学術出版会に盤踞して、当人の峻拒にもかかわらず谷川雁の全集『無の造形』をひそかに作った八木はこう言った。
「吉本には、たくさんついとるが、・・・
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