「魔の山」に憑かれたクライマー 栗秋正寿(登山家)不運の名選手たち(連載2) 中村 計
登山。
その言葉から思い描くイメージとはおよそかけ離れている。
「ザラメ雪が、腰ぐらいの高さまである。砂糖の中を泳いでいるみたい。泳いで、泳いで、ひどいときは一日で百メートルしか進めないこともある。蟻地獄の中で登山しているようなもんですよ」
そう話すのは登山家、栗秋正寿だ。行為の過酷さとは対照的に、おっとりしているせいだろう、どこかユーモラスな雰囲気が漂う。身長一六九センチと・・・
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