上京むかし女ありけり(連載114) 福本邦雄
明治三十三(一九〇〇)年発行の『明星』第八号に初めて歌を出してから、第十四号までの一年足らずの間、雅子は毎号連続して精力的に投稿している。その数およそ四十八首。それらは質量ともに充実し、雅子は晶子、登美子らと並び、新詩社内においてすでに確固たる地位を築いていた。この頃の雅子は、家庭における継母との溝が原因で、本来の快活でお茶目な性質を押さえつけられ、次第に陰鬱で感傷的になってきていた。そんな心理・・・
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