三万人のための情報誌 選択出版

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連載

マスコミ業界ばなし

2018年11月号


 朝日新聞が「紙面改革」という名の実質値上げに踏み切る。消費税増税を来年十月に控え、紙やインクなどの経費が増大するため値上げすることは予想されていたが、「ページ数を減らすことで『ステルス値上げ』することが決まった」(朝日関係者)という。朝日では現在、「政治面」はなく、一面以降が「総合面」と呼ばれている。ここに政治記事や時事ネタが並んでおり、これまで総合面は五ページ立てが多かった。しかしページ減をした暁には「総合五面」は姿を消すという。
 朝日では過去にページ数を減らす議論が起きるたびに「主に政治部を中心とする編集部門と広告局が対立してきた」(別の朝日関係者)。新聞広告減少の中、ページ数を減らしたい広告部門と、記事掲載スペースを確保したい編集部門がせめぎ合ってきた。しかし今回のページ減については、「社内でそれほど問題になっていない」(同前)という。「消費税アップで背に腹は代えられないのに加え、編集部門のほうもネットへのアレルギーが少なくなり、ページ数確保に固執しなくなったという意識の変化もある」(同前)ようだ。
 朝日は来年一月で創刊百四十周年を迎える。入・・・