三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

なし

西風 495

将棋で町おこしに取り組む高槻市

2022年8月号

 JRの大阪環状線、福島駅から歩いて三分ほどの場所に外観がレンガ風の五階建てビルがたたずんでいる。西日本の将棋関係者やファンにとって「聖地」というべき関西将棋会館だ。公益社団法人「日本将棋連盟」の関西本部に所属する棋士、六十人余りの拠点である。その聖地の移転計画が、着々と進められている。
 関西本部を代表する棋士といえば、なんといっても藤井聡太五冠である。愛知県出身の藤井七段は、師匠の杉本昌隆八段と同様、関西本部に所属している。
 現在の会館の一階に入るレストラン「イレブン」は誰でも利用できることで知られる。会館のある福島駅周辺企業のビジネスマンがランチに立ち寄ることも多い。近年は、やはり「藤井効果」によって一般のファンの利用も増えている。藤井五冠の対局などでたびたび話題になるのが食事だ。対局中にどんなものを食べるのかに注目が集まる。関西将棋会館での対局では、レストランイレブンの出前を頼むケースが多く、藤井五冠は「バターライス」がお気に入りだ。しかも藤井五冠がマッシュルームを残していたことから、店主が次からマッシュルーム抜きで提供したことは将棋ファンの間では有名。実・・・