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社会・文化

底なしの「検察腐敗」

組織は「解体」するしかない

2010年10月号

 検事総長以下、検察トップは引責辞任し、不祥事の検証は第三者委員会に委ねるべきだ――。
「独善・驕り・不遜」という検察へのレッテルが定着したころに、今度は驚くべき特捜幹部検事による証拠隠滅事件が発覚した。検察の腐敗はここに極まった。今後、容疑者、被告人は堂々と証拠隠滅を図れる。司法自らが無法国家の到来を許容してしまった。もう誰も検察を相手にしない。組織は解体すべきである。

「げに恐ろしき国家犯罪」


 本誌は再三、検察の横暴、思い上がりを糾弾してきた。特に郵便不正事件では昨年六月、村木厚子元厚生労働省局長が大阪地検特捜部に逮捕されて以来、強引逮捕、ストーリー捜査を問題視し、その背景と捜査意図を暴いてきた。事件がでっち上げであったことは公判途上で既に明らかになった。九月十日の大阪地裁判決は検察側主張をすべて退け、村木氏の潔白を決定的なものにした。
 この杜撰なシナリオ捜査の過程で、証拠隠滅事件が発生したのである。大阪特捜の前田恒彦主任検事は、村木氏が部下に偽証明書の作成を指示した・・・