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WORLD

中国「スパコン世界一」の衝撃

日米欧の「先端技術」を脅かす

2010年12月号

 スーパーコンピューターの演算性能で中国が開発した機種が初めて世界トップに立った。このニュースは世界的に高い関心を集め、新たな中国脅威論の要因にもなりつつある。スパコンが科学立国の根幹に関わるとともに軍事大国の必須要件にもなっているからだ。中国のスパコン世界トップは世界の科学、軍事、産業の地図を塗り替える可能性を秘めている。
 今回の世界トップは米欧などの専門家が年二回発表している演算速度のランキングであり、世界各国がスパコンの研究開発を競うなかでめまぐるしく順位が入れ替わっている。「中国のトップ」も三日天下で終わるのではないか、という見方もある。
 確かに、日米は二〇一一年から一二年にかけて、今回トップになった中国の「天河1号A」をはるかに上回るスパコンを稼働させる予定だ。
 日本は、理化学研究所に設置された計算科学研究機構が富士通などとともに開発し、神戸のポートアイランドに建設中の次世代スパコン「京」がこのまま行けば、米国の次世代機種とともに中国の天河を大きく上回り、世界トップを奪還する可能性がある。「中国の次世代機種の性能ターゲットは見えないものの、・・・