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経済

只では済まぬ「震災倒産」

国全体にも波及

2011年5月号

 東日本大震災を機に、全国的に未曽有の「倒産ラッシュ」が起きることが危惧される。ただしそれは、各種特例措置が切れたあと、時間差でこの国を襲う。
 岩手、宮城、福島の三県に限っても、この地に本社を構え営業を行う企業は中小あわせて六万社存在するという。被害が甚大な沿岸部だけでも「五千社は上回る」(調査会社幹部)と推定されている。
 今後連鎖的に発生する「震災倒産」を予測する上で参考になるのは、一九九五年に発生した「阪神・淡路大震災」の例だろう。帝国データバンクが四月八日に公表した資料によれば、阪神大震災で「震災関連」として倒産した企業の件数は発生後三年間(九七年十二月末まで)で、三百九十四件だった。負債総額は約一千百二十六億円だ。一見すると少なく感じるかもしれないが、阪神大震災は兵庫県の限られた地域のみが被災したことを忘れてはならない。

守られるのは金融機関のみ


 すでに、「東日本大震災」に起因する倒産は始まっている。四月二十五日時点で五十二件が震災を理由として倒産している。九五・・・