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政治

「高市・今井」関係の不都合な事実

《政界スキャン》

2026年5月号

 まだ高市早苗首相が誕生する前のことだが、昨年2月発売の月刊誌『中央公論』3月号で、安倍晋三政権の「官邸官僚」を統率していた今井尚哉元首相秘書官がこんなことを言っている。
「苦労したわけですよ。安倍さんは世話になっている人は裏切れない。私の行動は彼らをにこやかに遠ざける、ある種の反政府行為だったかもしれません(笑)」
 安倍氏は積極財政派だったが、国家財政を破綻させてはならないことも分かっていた。そこで今井氏が悪役になって「彼ら」、すなわち高市氏や経済評論家の髙橋洋一氏らの名前を列挙し、安倍氏になるべく近づけないように苦心していた、それが自分の大事な役割だったというのである。
 この号の特集は「官僚たちの正念場」。今井氏は巻頭の特別対談で、行政学者の牧原出・東京大学教授と登場していた。
 約半年後、石破茂前首相が衆院選大敗で引責辞任し、高市氏が首相になった。安倍政治に憧れ、強力な「官邸主導」体制を再現したい高市氏は、真っ先に今井氏に首相秘書官就任を要請。固辞した今井氏は、代わりに経済産業省で6期後輩の飯田祐二前事務次官を秘書官に推し、自らは内閣官・・・

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