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社会・文化

悪徳最高裁判事の企業天下り事情

冤罪担当者が大企業で高禄を食む

2012年1月号

 前年の足利事件の再審無罪で冤罪が確定した流れをそのままに、二〇一一年も最高裁判所の権威を大きく揺るがすような再審判断が相次いだ。  去る十一月三十日には、福井女子中学生殺害事件で冤罪を訴える前川彰司さんの再審開始が決定(検察側異議申し立て中)。また、「東電OL殺人事件」では、再審請求審で受刑者とは別人のDNAという新証拠が検出され、再審決定への機運が高まっている。  これら冤罪事件や再審請求事件の審理の舞台となった最高裁「第二小法廷」とそこに連なる冤罪判事らは、さぞ悔恨の日々を送っているのかと思いきや、彼らのその後の人生を辿ると、明らかになってくるのは民間への「天下り」の実態、そこでのいかがわしい活動等々……過去の冤罪判決にも納得がいくような話ばかりなのだ。

信じ難い「ヤラセ疑惑」

「……学術界、実務界を冒必する、このような極めて悪質な行為によって公表された判例コメントにとらわれることなく、公正な判断をお願いしたく、冒頭に一言申し述べるものである」  民事裁判としては奇妙な感じを受ける書面が、一一年三月、東京高裁第二十二民事部に出された。書・・・