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経済

関電が謀る「電力自由化」の怪

「原発再稼働」勝ち取る方便

2012年4月号

 東京電力が福島第一原子力発電所事故で弱体化する中、盟主を失った電力業界の足並みの乱れが顕著になってきた。  電力自由化を巡る論議では、電力間競争をかたくなに拒んできた電力業界をたたき直すため、所管官庁の経済産業省が電力間競争を促す抜本改革を検討。電力会社の多くが業界の旧秩序を維持するために徹底抗戦の構えをみせるが、ここにきて業界の実質上のトップ、関西電力が経産省にすり寄り始めているという。関電のこの動きの背景にあるのは原発再稼働問題だ。是が非でも原発を動かしたい関電は、電力自由化論議での妥協を見返りとして差し出す姿勢だが、自社の台所事情を理由に業界を犠牲にしようとする「身勝手」な動きにほかの電力会社からは批判の声も上がる。

密かに練る電力間競争「シナリオ」

 電力自由化はこれまで段階的に自由化範囲を広げており、制度上は電力会社同士が供給エリアをまたいで電気を送ることが可能だ。だが、自由化開始以降、電力会社同士の競争は一件しか行われていない。電力業界はかねて「競争を常に意識している」と強弁を張ってきたが、それが事実でないことがこの春に明らか・・・