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「アフガン化」するエジプト

急速に勢力伸ばすイスラム過激派

2012年5月号

 カダフィ政権崩壊以降、混迷続くリビアが、各地の武装勢力への武器供給地となりつつある。これにより、アフリカ大陸北部の広範な地域でイスラム武装勢力による殺戮行為も始まっている。地域の安定が急速に損なわれ、欧米やイスラエルを脅かす事態が進行中だ。  現在、もっとも深刻なのは、エジプトである。同国内における秩序維持の多くを担ってきた情報機関が弱体化し、イスラム過激派の流入や活動を止めることが難しくなっているためだ。現地ジャーナリストは筆者にこう話した。 「特にシナイ半島が、無法地帯と化している」  イスラエルに隣接するこのエリアは以前から、ベドウィン(遊牧民)などによって構成された犯罪者集団が跋扈する土壌があった。しかし、ムバラク政権時代には情報機関当局の目が常に光っていた。実際、イスラエルもシナイ半島の情勢について、エジプト側から情報を得ていたのだ。中でも国内における反体制派の監視を行い、陰惨な拷問などを加えていたのが国家保安庁である。そして、ムバラク政権崩壊後に軍が保安庁解体を宣言したことなどを皮切りに、シナイ半島への監視が弱まった。

武器流出は止められない

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