三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

《土着権力の研究》福島県 福島テレビ

奇妙な「県営放送局」

2012年5月号

「安全だ安全だと言っておきながら自分は逃げるのか」

 福島県いわき市に住む五十代の男性はこう憤った。「逃げた」とされるのは、地元放送局「福島テレビ(FTV)」のニュース番組で、放射線は危険でないと語ってきた、「元」女性アナウンサーだ。彼女は、昨年七月にFTVを退社し、郷里の石川県に子供を連れ戻った。そして、石川の地元紙や講演会で、放射能に悩まずに暮らせるようになった喜びを語ったのだ。福島のメディア関係者はこう語る。

「放射線の恐怖を煽らぬよう、『安全』を繰り返したメディアはFTVだけではない。しかし、FTVは『県営テレビ』と呼ばれる放送局。だからこそ怒りは大きいのだろう」

脈々と続く「天下り」


 なぜ民間放送局であるはずのFTVが県営テレビなのか。それは、同局の株主をみれば一目瞭然だ。民間調査会社の資料によれば、同局の全七十万の株式のうち、五〇%(三十五万株・今年一月時点・以下同)を福島県が保有している。以下、キー局のフジ・メディア・ホールディングス(一九・八%)、産経新・・・