三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

日本郵便に吹き荒れる「恐怖政治」

内部通報者へ次々と報復人事

2012年6月号

 総務省は五月十一日、郵便事業株式会社(日本郵便、鍋倉眞一社長)に対し、「部内者犯罪の防止に関する指導」を行った。  これによると、日本郵便三島支店韮山集配センターの期間雇用社員が、昨年五月から十一月にかけ、配達すべき郵便物を隠匿したという。支店長ら管理者はその事実を隠蔽するため、一部郵便物は「誤配」と偽って配達し、配達しきれなかった郵便物はシュレッダーにかけるなどして廃棄してしまったのだ。この「事件」について総務省は、「郵便事業に対する信頼を著しく失墜させる」と指摘し、「再発を防止するため、必要な措置を確実に実施するよう指導」したというわけだ。  だが、シュレッダー事件後も、「不祥事の連鎖」は止まらない。今年一月二十四日には愛知県警が、年賀状を配達せずに廃棄し、さらに現金書留を盗んだ容疑で日本郵便日進支店の元期間従業員を逮捕。五月九日には山形地検が、客から受けとった郵便料金を着服したとして、山形南支店の元アルバイトを業務上横領罪で起訴。さらに、五月十五日には岡山県警が、西大寺支店の期間雇用社員を逮捕。容疑は未配達のはがきや封書など計百七十二通を自宅に隠し持っていたというも・・・