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経済

「太陽光」で濡れ手に粟の孫正義

これぞ「政商」の面目躍如

2012年6月号

 再生可能エネルギーの高値買い取り圏へ猛然とダッシュすると見せかけて相手ボールを誘引し、パスが放たれたと見るや今度は低コスト太陽電池へ逆走する。太陽光発電事業に参入した孫正義ソフトバンク社長の見事な「オフサイドトラップ」だ。次々とオフサイド判定されて市場退出を命じられる国内太陽電池メーカーの後ろ姿が目に浮かぶ。  いよいよ七月から「再生エネルギー全量固定価格買い取り制度」が静かに始まろうとしている。言うまでもなく、同制度は孫社長が高値買い取りの「旗振り役」だった。昨年四月の民主党復興ビジョン会合、今年四月の自由報道協会、 民主党エネルギーPTなどで「買い取り価格四十円(一キロワット時)以下では絶対参入しない」と訴え続けたのだ。その結果四月末、経済産業省調達価格等算定委員会が提示した大規模太陽光発電(メガソーラー)の買い取り価格は四十二円。「三十円台後半」という大方の予想を裏切り、孫氏がまんまと「満額回答」を得たのは周知の通りだ。  一連の東電処理による電気料金の値上げで家計が苦しむ中、さらなる過重な国民負担を前提とする制度の強行は、メガソーラー計画に商機を見出す孫氏の懐を温・・・