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社会・文化

レジャー業界襲う「パチンコマネー」

市場縮小でも儲かる「仕組み」

2012年6月号

「臨時ボーナスでも貰えるのかと思った」  大手パチンコ台メーカー・平和の社員はこう振り返る。昨年十月末、平和社内で唐突に、「重要発表がある」とアナウンスされた。これが、現在のアコーディア・ゴルフを巡る泥仕合に壓がる、平和によるゴルフ事業進出の端緒だった。全国に百二十コース以上を保有するゴルフ場運営会社PGMの株式公開買い付けは、「石原昌幸オーナーの独断で進められた」(同社社員)という。  平和は過去に一度ゴルフ場事業に手を出し、短期間で撤退した。今回は、PGMの買収に成功しており、今後アコーディアも手中に収めれば、保有コースは三百近くになる。しかし、太平洋クラブが破綻する時代だ。「淘汰されたといっても、狭い日本に二千三百ものコースがひしめいているのは過剰」(ゴルフ誌記者)。一部優良コースを除きゴルフ場事業にそこまでの旨みがあるかは疑問符がつく。  そもそも、「PGMの売却先が見つからずに困ったファンドが野村證券に頼み込んで、平和を紹介してもらった」(業界関係者)という。このご時世、ゴルフ場に金を突っ込めるのは、パチンコメーカーくらいなのだ。

五割を超える「粗利率」

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