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経済

三井物産に「中国マネー」が食指

「資源一本足経営」に暗雲か

2012年10月号

 尖閣諸島の領有権問題で日本と中国の関係が抜き差しならない状況に陥っている折も折、株式市場関係者の間でショッキングな噂が流れ始めている。「三井物産がチャイナマネーの買い占めの対象となっている」という、一見信じがたい話だ。  チャイナマネーはここ数年、積極的な日本株投資を展開しているが、その代表格は中国政府系ファンドと目される『SSBT OD05 オムニバス・アカウント・トリーティ・クリエンツ』(OD05)の名義だ。今年三月末の時点で東証一部二百六十一銘柄に投資し、その総額は約三兆八千億円に達する。三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンクや日立製作所、NEC、オリックスなど日本を代表する企業に投資しているが、昨年時点で三井物産株の保有も明らかになっている。  中国系ファンドの動向をウオッチしている銀行系調査部門の関係者によると「過去の中国ファンドの買い方から、そろそろ大手総合商社があり得ると考えていた。当初、買い付けが表面化したときはハイテクを中心とした国際優良株が主体だった。トヨタ自動車などの買い付けが明らかになったのは昨年。幅広く買うファンドの特性から総合商社の・・・