三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

連載

皇室の風52

狭まりゆく皇室の「窓」再論
岩井克己

2012年12月号

 皇室では、なぜか天皇・皇族の誕生日の多くが秋から年末に集中している。

 十月二十日の皇后(今年七十八歳)から始まって、同二十三日眞子内親王(二十一歳)、十一月二十八日常陸宮(七十七歳)、同三十日秋篠宮(四十七歳)、十二月一日愛子内親王(十一歳)、同二日三笠宮(九十七歳)、同九日雅子妃(四十九歳)、同二十三日天皇(七十九歳)、同二十九日佳子内親王(十八歳)と続く。年の瀬は誕生日ラッシュである。

 このうち、誕生日会見が恒例化しているのが、直宮の秋篠宮、皇太子妃、天皇だ。秋篠宮の場合は紀子妃も同席して毎年応じている。皇后は、皇太子妃時代には誕生日会見に毎年応じていたが、即位後は「香淳皇后も応じていなかった」との理由から一貫して文書回答のみとなっている。なお、皇太子は二月の誕生日会見に毎年応じ続けている。

 今年十二月、注目しているのが皇太子妃と天皇の誕生日だ。本連載の第七回(本誌二〇〇九年三月号)で「狭まり行く『報道』への窓」と題し、皇室の記者会見への消極的姿勢を危惧する思いを書いた。その後も雅子妃の会見は長期療養中として・・・