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政治

安倍政権は右傾化しない

側近や公明党が「現実路線」に修正

2013年1月号

 安倍政権の「右傾化」を巡り、内外の見方が二分されている。  盛んに「右傾化」を喧伝しているのは、国内のリベラル派、中国、韓国だ。米国でも、古参の民主党系知日派、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授らが呼応し、中国メディアを喜ばせている。これに対し、国内の保守勢力は「平和主義に漬かった『左』の日本が真ん中に戻っただけ」などと反論が喧しい。米共和党系のマイケル・グリーン戦略国際問題研究所日本部長らも、安倍擁護論を展開している。先の衆院選序盤で自民党優勢が伝えられ、危機感を募らせた民主党や日本未来の党が有権者の不安を煽ろうと、殊更に「右傾化」という言葉を使ったのも、良くなかった。用語の定義の矛盾を指摘し、安倍晋三総理大臣の「右傾化」を否定する議論も増えた。

憲法改正の優先順位は高くない

 隘路に入ると、全体像が見えない。「右傾化」はしょせん、イメージの問題だ。焦点は、批判する側が「右」と見る政策や主張を、安倍が本当に実行するかどうかで、その来歴や人脈を観察すれば、「安倍政権は右傾化しない」という結論を得ることは、そう難しくない。  憲法を改・・・