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経済

ドコモが「世界制覇」の大風呂敷

「成功体験」にすがり新OSに執心

2013年4月号

 米アップルのiPhoneやグーグルのアンドロイドOSの登場で、日本の携帯電話会社や端末メーカーが影を潜めて久しいが、今年二月下旬にスペイン・バルセロナで開かれた携帯電話の見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2013」では久しぶりにNTTドコモが脚光を浴びた。同社が韓国サムスン電子や米インテルなどの企業連合を従えてスマートフォンの第三のOSとなることを目指す「Tizen(タイゼン)」がお披露目されたからだ。  Tizen推進団体「Tizenアソシエーション」の議長も務めるドコモの永田清人取締役は、「ドコモは年内にもTizenを採用したスマートフォンを発売します」と高らかに宣言した。  あるITジャーナリストは、「Tizenは、iPhoneやアンドロイドのように端末メーカーやOS開発会社に牛耳られてきたスマートフォンのビジネスを、通信会社が奪還しようとする動きだ。そこに、やはり独自OSで立ち遅れていたサムスンやインテルが乗った」と解説する。  いわばこの新OSで、過去の栄光にすがるドコモが、再び「世界制覇」の大風呂敷を広げ始めようとしているわけだ。

Tizenはドコモの野望の亡霊

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