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政治

自民党政権は長期化しない

野中 尚人(学習院大学 法学部教授)

2013年7月号

参議院選挙では自民党勝利が予想されています。
 野中
 有力な対抗勢力はいないので、参院選の勝利は固いだろうが、安倍政権の先行きは決して明るくない。最大の原因は自民党という組織の問題。昨年の総選挙圧勝は公共事業が飢餓状態にあった地方の票を集めたからにすぎず、自民党への批判票は潜在的に存在する。民主党への失望があまりに大きく投票率が低調だったことも一因で、公共事業に依存する自民党の体質を嫌悪する層はいまだに残っている。民主党は消え去るかもしれないが、現在の自民党は明らかに「右の政党」であることを志向している。やがては政界の中道リベラル勢力が結集して受け皿をつくるだろう。自民党がかつてのような長期政権を続けることはできない。

現政権の問題点はなんですか。
 野中
 「三本の矢」のうち、金融政策はともかく、成長戦略は難関だし、財政運営も極めて難しい。国土強靭化という名目の下、受けのいい話に終始しているのではないか。日本が抱える一千兆円の負債については、将来的に欧州や米国のように確実に問題化するし、G8サミットでも釘を刺された。・・・