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経済

コンビニ界の「風雲児」に重大疑惑

セイコーマートの「恫喝的買収」全手口

2013年8月号

 北海道で圧倒的シェアを誇り、現在では北関東にも進出するコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」が、苛烈な下請けいじめを行っているとの「疑惑」が浮上している。公正取引委員会もすでにその概要を把握している模様だ。  セイコーマート(本社・札幌市)は、一九七一年、日本初のコンビニ店を開いたチェーンとして知られ、北海道を皮切りに、茨城、埼玉など北関東にも店舗網を広げた。いまや一千百四十九店を展開する準大手チェーンで、赤尾昭彦会長は「業界の風雲児」の呼び声も高い。同社はコンビニ業界ではめずらしく「安売り」を武器とする異色の存在だが、それは独自のサプライチェーンの賜物である。店舗で売る商品を卸業者から仕入れるのではなく、生産に直接関与することで流通コストを最小化する、いわばユニクロのコンビニ版だ。  二〇一二年二月二日、そんなセイコーマートと赤尾会長を絶賛する番組「日経スペシャル カンブリア宮殿」が、テレビ東京系列でオンエアされた。「国内大手のどこも真似できない、農場から工場まで全てを自前で揃える常識破りの驚愕コンビニが地域を救う!」(テレビ東京HP)といった「ヨイショ番組」の・・・