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中国経済を蝕む人民解放軍

「影の銀行」よりも深い闇

2013年9月号

 汚職撲滅の象徴である薄熙来氏の裁判が始まった一方で、中国経済最大の暗部である人民解放軍の経済活動にはいまだメスが入っていない。崩壊近づくバブル経済の裏の主人公でもある軍経済の闇は深い。  中国海南島三亜の沖合に浮かぶ人工リゾート島の「鳳凰島」では、船の帆のような形をした白亜の超高層ビル群が偉容を誇っている。「中国のドバイ」と呼ばれる不動産バブルの象徴だ。今年四月、この島に軍のナンバーをつけた大型車両が次々と渡っていく光景が住民に目撃された。  鳳凰島は十年前から埋め立てが始まり、二〇一六年には高級ホテルやテーマパークなどが完成する計画だ。現在までの投資額は四十億元(約六百四十億円)。中央と地方政府が資金を出す、橋などの関連インフラを含む総事業費はその数倍に上る。ところが、投資回収の柱となる不動産の価格が今年二月に突然暴落した。  地元不動産業者によれば、三年前の発売時に一平方メートルあたり十五万元(約二百四十万円)だった新築マンションの価格が半値以下の七万元まで暴落した。発売当初、北京や上海の一等地の三倍程度という強気の価格設定だったが、海南島開発の後ろ盾といわれた・・・