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経済

明治安田生命のタイ進出に落とし穴

臆測呼ぶ提携相手の「腹の内」

2013年11月号

 七月下旬、タイ生保三位、タイ・ライフ・インシュアランスへの出資計画を発表した生命保険大手、明治安田生命保険。創業家のチャイヤワン家が保有する発行済株式の中から一五%を取得、購入額は七百億円強に上り、国内生保によるアジア地域への出資額では過去最大になると喧伝されたのは記憶に新しい。それから三カ月。日本国内での受け止め方とは裏腹に、出資先のタイでは明治安田による今回の買収劇を冷ややかに受け止める見方が静かに広がっている。タイの市場を知る関係者からも「現状を知らぬ勇み足。そう遠くない時期に株価が下落して損失を膨らませるだけ」と早くも同社の動きを嗤う声が広がっているのだ。  タイの大手金融機関への出資と言えば、三菱UFJフィナンシャル・グループがタイ商業銀行第五位のアユタヤ銀行の買収を表明したばかり。だが、事情をよく知るタイの市場関係者は「リテールバンクからの脱却ができなかったアユタヤ銀行の事例とは全く異なる」ときっぱり切り捨てる。現地では、「タイ・ライフに一杯、食わされているのではないか」と指摘する声も上がっているのだ。そして、こうした不穏な指摘はタイ・ライフという新興財閥の素顔が見・・・