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経済

ドコモを蝕む「麻薬」iPhone

加入者が増えても減収を補えない

2013年11月号

「来週にはドコモのほぼ全店舗でiPhoneが扱えるようになる見込みだ。(参入直後で)慣れないことも多いが、ドコモの総合力に期待していただきたい」―。NTTドコモの加藤薫社長は、十月二十五日の二〇一三年度第2四半期決算説明会で釈明に追われた。九月二十日にドコモが米アップルのiPhone発売に踏み切ってから一月あまり。交渉五年、なんどもユーザーの気を持たせた末の鳴り物入りの参入だったが、在庫不足による「機会損失」は深刻度を増している。加藤氏はこれまで「十月には在庫は改善する」と強調してきたが、販売現場の実情とは違うようだ。 「ドコモは国内しか見ていない」 「玉が全く入ってこない。予約ばかり積み上がっている状況だ。しびれを切らせたお客様にはiPhoneではなくアンドロイドのスマートフォンを勧めているが、端末価格がiPhoneより高いのでなかなか納得してもらえない」。都内のドコモショップ担当者はこう話す。ドコモは新型iPhoneに販売奨励金をつぎ込み、「5s」は二年契約の割賦で実質〇円(十六ギガバイト)。ところがアンドロイド端末には販促の手が回らず、実質五千円以上・・・