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経済

《企業研究》日産自動車

ルノーの「奴隷」永遠に

2013年12月号

「経年劣化」―。市場関係者の一人はいまの日産自動車を覆う“病状”にこう診断を下す。

 それを如実に示しているのが売上高営業利益率だ。二〇一一年三月期に八兆七千七百三十億円の売上高を計上して五千三百七十五億円の営業利益を稼ぎ出し、六・一二%の水準にあったそれは、一二年三月期に五・八〇%、一三年三月期には五・三四%と年を追うごとに低下。そして営業利益二千二百十九億円と前年同期比二・六%の減益に陥った今上期(四~九月)決算では四・六六%と、ついに五%を割り込んでしまったのである。

 期初の段階では売上高十兆三千七百億円、営業利益六千百億円で五・八八%への反転増を見込んでいた今期通期の利益率も十一月一日、それぞれ十兆一千九百億円、四千九百億円に下方修正したことで四・八〇%にとどまる。

 経営環境が悪化しているのなら致し方あるまい。だが、昨年夏以降、円高修正が進み、「ドル箱」とされる北米市場が活況を取り戻すなど日本車メーカーには格好ともいえる追い風が吹いている。実際、今上期決算では国内を主戦場とするダイハツ・・・