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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》裏金まみれの「国立がん研究センター」

研究費「不正使用」でやりたい放題

2014年2月号

「今後も組織改革に積極的に取り組んでいきたい」
 一月十七日、国立がん研究センター(国がん)の堀田知光理事長は、職員を前にこう抱負を述べた。当初、職員訓示は年頭あいさつとして一月七日に行われるはずだった。その日程がずらされた上に、堀田理事長は「続投の所信表明」(国がん職員)を行ったのだ。

 二〇一〇年に国がんが独立行政法人化され、堀田氏は一二年四月に二代目理事長となった。任期は今年三月末までだ。前回(一二年)の例を考えれば理事長の公募が行われている時期だが、現時点で募集さえされていない。厚生労働省担当記者はこう語る。
「前回の改革派理事長の事実上の更迭も不透明だったが、今回も厚労省に都合のいい堀田氏の続投が既定路線になっている」

 不祥事続きの国がん改革が急務であるにもかかわらず、実際にはむしろ逆行する動きが進行し、病巣は広がる一方だ。

国がんで横行する「プール金」

 二〇一三年は国がんにとって「最悪の年だった」(前出職員)。二月には、牧本敦小児腫瘍科長(当時)の厚・・・