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存在感失った米「日系人」

議会ロビー活動で中韓に「完敗」

2014年2月号

 米国議会に「知日派議員連盟」が誕生し、日本はようやく米議会での足場作りに成功したかのごとく報道された。しかし、アジアのライバル、韓国や中国は米国内でのロビー活動では、今や完全に日本を圧倒している上、成長著しいインドも米国内での影響力強化を図っている。日本はどこでこんなに差を付けられたのだろうか。 「日本は甚だしい周回遅れ」 「知日派議連誕生へ」のニュースが報じられた一月十五日、米下院は二〇一四会計年度歳出法案を圧倒的多数で採択した。日本を驚かせたのは、法案の中に、いわゆる慰安婦問題で日本政府に正式謝罪を働きかけるよう、国務長官に求める項目が盛り込まれたことだ。「知日派議連(ジャパン・コーカス)」の発起人である、ホアキン・カストロ(民主党)、デビン・ニューネス(共和党)両下院議員も賛成票を投じた。 「中国、韓国の議連は活動歴も長いから、日本は甚だしい周回遅れ。ワシントンでの日本の存在感、外交力は、どんどん希薄になっています」と、在米邦人記者は言う。  カストロ議員はヒスパニック系のホープで、本誌「世界のキーパンソン」欄紹介のフリアン・・・