三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《企業研究》日本郵政

「再統合」でも沈みゆく巨大「ジリ貧」企業

2014年5月号

「上場に向けた基礎固めの三年間にしたい。ここをボトムに成長できなければ上場の意味がない」

 日本郵政が今年二月下旬に策定した二〇一四年度から向こう三カ年の中期経営計画「新郵政ネットワーク創造プラン2016」。その発表会見の席上、西室泰三社長はこう言い切った。

 ジリ貧が続く日本郵政―。インターネットの普及などで傘下の日本郵便における郵便物取扱数はピークだった〇一年度の二百六十三億通から一二年度は百八十九億通と二八%強も減少。ゆうちょ銀行の貯金残高も一九九九年度末の二百六十一・六兆円を境にして三二%縮小し、二〇一二年度末には百七十七兆円にまで目減りした。

 かんぽ生命保険の落日ぶりに至ってはさらに目を覆いたくなる有り様だ。一二年度末における保有契約件数は三千六百八十一万件。九六年度末には八千四百三十二万件にも達していたが、実に半減以下の水準へと落ち込んだことになる。
 中期経営計画はこうした事態に何とか歯止めをかけようと打ち出されたもので、同時に西室氏が目指すとしている一五年春の上場後をにらんだ「エクイティストー・・・