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社会・文化

高校野球の「深い闇」

選手も教育も壊す「甲子園ビジネス」

2014年8月号

 最後の砦だった田中将大も、やはり「甲子園の犠牲者」になった。  ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が七月九日、右肘靭帯の部分断裂によって故障者リスト入りした。復帰まで最短でも六週間かかる見込みで、回復が思わしくなければ手術に踏み切る可能性もあり、その場合は一年以上離脱する。  そもそも球界には「甲子園の優勝投手は大成しない」というジンクスがある。一九四六年から二〇一三年までで、甲子園の優勝投手となりプロ入りした選手は三十三人(うち八人は野手に転向)いるが、通算十勝以上した投手は十二人しかいない。百勝以上になると、尾崎行雄、野村弘樹、桑田真澄、松坂大輔、田中将大の五人だ。  高校時代、全国の頂点に立った投手がプロで活躍できないのは、若いうちに肩や肘を酷使したせいで体を壊してしまうケースが多いからだ。桑田と松坂は例外中の例外だったが、全盛期に靭帯を損傷し輝きを失った。田中もプロ入り八年目で同じ故障を負った。 田中を潰した高校時代の多投  この現状を「日本球界の病理」と嘆くのは、あるプロ球団のトレーナーだ。 「大学以降で初めてヒジ痛・・・