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テロとは戦えない米国

オバマ残り任期は「破滅の二年」

2014年11月号特別リポート

 いまや国際社会に広まった共通の認識と言っていいだろう。米国の軍事、経済、技術、情報などは依然として世界最強なのだが、大統領の指導力は地に落ちてしまった感がある。オバマ政権が最大の課題として取り組んでいるのが「イスラム国」との戦いであることは間違いないのだが、「米地上戦闘部隊は投入しない」「解決には時間がかかる」などの発言が最高司令官の口から軽々と飛び出すごとにヒヤヒヤしているのは米軍部にほかならない。何しろ相手はいっさい国際法を無視して自爆テロすら平気で仕掛けてくるテロリスト集団だ。それに対して軍事的な手の内を公言するとは何ごとであろうか。米軍部内にはオバマ大統領に対する不満が渦巻いている。

 イスラム国は九月末からシリア北部のトルコ国境沿いの町アインアルアラブへの攻撃を開始し、これに対して米軍が空爆を続けているにもかかわらず、いまだに撃退できないままだし、イラクでは首都のバグダッドとヨルダンおよびシリアをつなぐ戦略上の要衝であるアンバル州がイスラム国の手に落ちようとしている。しかも、日本を含むアジアや欧米各国からイスラム国の戦士に応募する者が絶えないし、欧米各・・・