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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》創価学会の「集票力」

最強「選挙マシン」の知られざる内情

2014年12月号

「創価学会の集票力低落傾向は止まらない。自民党との選挙協力は大切だが、今回の衆院選では公明党の現有議席を確保することで精いっぱいだ」

 公明党に所属する関東地方の地方議員はこう語る。

 十二月二日公示の衆議院議員選挙に向けて、公明党の支持母体、創価学会が動き出している。公称支持者「八百二十七万世帯」の巨大宗教団体の集票力はどれほどのものか。末端を担う地方組織の実情からは、ベールに包まれた学会「集票システム」の苦境ぶりが垣間見えてくる。


F票のためのスケジュール闘争


 突然の衆議院解散総選挙で、創価学会内部は混乱を極めた。

 十一月下旬、東京都新宿区の住宅密集地の一軒に、近所でも学会員として有名な中年女性が訪れた。女性は学会員でもない家人にいきなり公明党のパンフレットを渡すと、軽減税率の必要性について延々と説き始めた。選挙のたびに繰り返される「恒例行事」。近所づきあいと思って我慢し、早く帰ってくれることを願うしかない。

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