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経済

《クローズ・アップ》飯田真也(朝日新聞社次期代表取締役会長)

朝日改革を逆行させる異例人事

2014年12月号

「朝日が徐々に進めてきた販売改革が頓挫するかもしれない」

 朝日新聞の政治部OBはこう語る。同社は十一月十四日の取締役会で、管理・労務担当取締役の渡辺雅隆氏を次期社長とする人事を決定、十二月五日に開催される臨時株主総会を経て正式決定される。

「社会部、それも大阪本社出身の渡辺さんが社長に就くのは確かに異例だが、実は新会長人事の方が意味は大きい」

 朝日関係者はこう語る。今回の人事で、新たに代表権を持つ会長に飯田真也氏が就くことが決定した。飯田氏は早稲田大学卒業後、一九七五年に朝日新聞東京本社に入社。一貫して販売畑を歩き、東京本社と大阪本社の販売局長も歴任してきた。二〇〇九年に取締役になり、今年六月に上席執行役員として「上がりになったはずの人物」(前出関係者)だった。

 戦後、社会部出身者の社長は美土路昌一氏だけだ。六三年に発生した「村山事件」に端を発した社内抗争により生まれたものだが、この時、全国の販売店が代金を納入しないなどの強硬措置に出たことが最大の原因だった。

 今回の会・・・