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経済

石油メジャー 「十五年ぶり再編」の足音

弱り目「BP」争奪戦が焦点

2015年2月号

 原油価格は暴落から反転する兆しが見えない。相場の世界で暴落は千載一遇のチャンス。石油メジャーも例外ではない。エネルギー専門家の間では「十五年ぶりの再編劇」がささやかれる。かつて再編の火付け役だったBPは米国メキシコ湾油田での原油流出事故から暗転し、ドル箱だったロシアの情勢悪化が追い打ちをかけた。他のメジャーはいま、餌食と化したBPを争奪すべく、牙を研ぐ。  多くの石油関連企業の株価下落とは裏腹に、エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェルをはじめとした石油メジャーの幹部は原油価格の乱高下に冷静だ。その背景にあるのは、五割を超える自己資本比率、五十億ドル超の潤沢なキャッシュという強固な財務基盤にほかならない。  むしろメジャーにとっては原油価格が暴落し、世界の石油関連企業が資金繰りに窮している時こそ、優良な油田権益を仕込む好機だ。これまでも「バーゲンセール」のごとく、油田開発権益を安値で買い叩き、中堅・中小の石油企業を買収。さらにはメジャー同士の巨大合併(メガ・マージャー)を繰り返してメジャーからスーパー・メジャー(超巨大国際石油資本)として世界に君臨してきた。 水面下で動くエクソンモービル・・・