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WORLD

《世界のキーパーソン》ムハンマド・ビン・ナイフ(サウジアラビア 副皇太子)

国王死去で注目の「治安のプロ」

2015年2月号

 待望の第三世代が登場した。

 サウジアラビアのアブドゥラ国王の死去で、王位継承第二位となる「副皇太子」に、ムハンマド王子が就任。サウジは今年で建国八十三年を迎えるが、アブドゥルアジズ初代国王が一九五三年に死去してから六十年以上、サルマン新国王まで六人の兄弟が王位を継承してきた。ムクリン現皇太子は初代国王の末の息子で、子供の世代では最後の王位継承者。ムハンマド王子は初めて、孫世代から正式な王位継承の序列に連なった。

 サウジの王家は、十八世紀の第一次サウド王国の始祖、ムハンマド・イブン・サウドの子孫で構成されるため、一万人以上が「王族」である。アブドゥルアジズ国王は始祖ムハンマドから五代目で、その孫、曽孫、さらにその下の世代まで入れると巨大な王家だ。

 子の世代は、サウジの富が急成長したため、「浪費家」のイメージがある。孫世代は早くから米国に留学して、行政マンや軍人、実業家になるための職能を学んだ。

 ムハンマドが十六歳の時、父親のナイフ王子が内相に起用された。これが彼自身の将来を決め、米オレゴン州・・・