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「暗殺」に怯える習近平

反腐敗への「怨念」は燎原の火のごとく

2015年4月号

 疑えば目に鬼を見る―。中南海は今、疑心暗鬼で充ちている。  北京の中心部、中国の最高権力者たちの居住兼執務の場であり、同時に権力中枢を指す言葉でもある中南海には、料理人、給仕係、掃除夫、植木職人から電機やITなどの保守・運営の専門家まで、スタッフは警備関係をのぞいても約六百人以上といわれる。手厚く人が割り当てられているはずの中南海が昨年春以降、人手不足に陥っている。毎年、百人以上が定年や転職で入れ替わるが、新規の補充が滞っているからだ。  理由は人物検査が「考えられないほど厳しくなり、候補者がほとんどはねられてしまう」ためと中国のメディア関係者は明かす。中南海のスタッフは最高権力者の身近に近づくことができるため、思想信条から家族、親戚、友人関係、経済状況まで徹底的に調べあげられる。だが、そうした厳しい身辺調査すら総書記である習近平には信用できない状況が生まれているのだ。  中南海スタッフの審査が異常に厳しくなったのは当然だ。今や、習近平には食事やお茶など口に入るものすべてに毒味役が付いている。それだけではない。中南海のなかには「〇号楼」と呼ばれる独立した建物が多数あ・・・