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社会・文化

偽「健康食品」の氾濫が始まる

機能性表示「緩和」で日本は無法地帯に

2015年4月号

 四月一日から、サプリメントなど一般食品の「機能性表示」が解禁される。これによって、健康ブームに踊る消費者が無駄ガネを使わされるだけならまだましだ。実際には健康食品とは名ばかりの危険な商品が市場に溢れて、日本人の健康を脅かそうとしている。  そもそも、今回の解禁の経緯が異常だった。第二次安倍政権発足直後の二〇一三年二月に規制改革会議で検討課題に取り上げられたかと思ったら、あれよあれよという間に同年六月には閣議決定が行われた。熟議などとは無縁で、結論ありきの茶番だった。 米国の「危険食品」が流入  戦犯の一人は、規制改革会議とその下の「健康・医療ワーキング・グループ(WG)」で議論をリードした森下竜一大阪大学大学院教授だ。森下氏は内閣官房参与も務めており「安倍ブレーン」を自称している。しかし、そもそも疑惑まみれの人物として有名で、彼の創業した医療ベンチャー「アンジェスMG」は赤字続き、過去に不祥事が報道されたこともある。また、ノバルティスファーマの降圧剤を巡る研究データ不正疑惑で森下氏の名前が取りざたされた。  森下氏はWGで「機能性表示により国民に・・・